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by issei_tachikawa

ギリシャ財政破綻、明日はジャパンか

ギリシャ財政破綻、明日はジャパンか_c0219972_204793.jpgNHKの特集はそれなりに丁寧に企画されていた。中でも際立って興味を引いたのは対外債務に対するエクアドル(コレア政権)とギリシャ的問題先送りたらいまわし政権の対応の違いでした。
この事実を知れば「ギリシャの国民性はなまけもの」というようなレッテル張りも少しは是正できるかもしれない。震災直後のテレビ報道で、「ギリシャでは領収書を発行しない店が多い。当然のように消費税未納が横行するから、財政赤字が増える。」という調子だった。知らない人は、「なんていいかげんな国なんだろう。つぶれても自己責任だな。」と思いがち。
ところが財政悪化の背景には、IMF(国際通貨基金)、EU(ヨーロッパ共同体)の国際金融体制の世界史的な矛盾がギリシャ(そして、ポルトガル、スペイン、イタリア、アイルランドなど体外債務超過国)に体現されているのではないかと考えると評価は変ってくる。
一般的にいえば、借りた金は返さねばならないのだが、国家間の場合は、多国籍企業の利権、金融グローバリゼーションの付けなどを確認するべきなのだというのがエクアドル・コレア政権の主張だった。
テレビでも紹介されたように、「この債務は本当にエクアドル国民、現政権が返済を義務づけられたものなのかどうか」について監査を行ったという。その結果、表向きの債務金額     ドルに対して、実際に返済すべきなのは    ドル(5分の1)に減ったという。この方式をギリシャでも学んで適応するらしい。
よくよく考えてみると、1960年代(イッセーが世直しに目覚めた頃)と比べると、国際金融はコペルニクス的に変ってしまった。
あの頃は、1ドル360円、金1オンス35ドルの固定レイト、それが1972年8月15日(?)のニクソンショック以降は変動相場制になり、今の通貨レートは、1ドル76円!「1ドル50円でもやれる企業しか生き延びられない」という極論も出てくる。既にドルは基軸通貨としての実力を喪失している。かといってユーロや円が基軸通貨になることも不可能とすれば、はてさて、国際通貨制度は何処に向かうのか?第二のリーマンショック?
詳細に関してブログで展開する準備も余裕も有りませんが、1つ感じることは、経済・政治・軍事・文化は有機的に関連しあう現象として捉えなおさなくてはならないなーということです。TPPを経済決定論的に論議していても事実は見えてきません。それと成長神話から解放されて、「社会的共通資本」の整備、分配の公平性の実現に焦点を当てた論議が必要です。いずれにしてもギリシャの現実は、放置すればジャパンの明日になるかもしれません。食と農のありかたから変えて行くべきだと思いますが、食料自給率100%達成(TPPだと14%に、460万人失業増加の農水省試算あり)、日本人の主食である米生産の防衛など真剣に論議を深めるべきです。
by issei_tachikawa | 2011-11-15 20:15 | 国際政治(歴史、原理、批評) | Comments(0)