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どうせやるなら気持ちよく、地域家族へ


by issei_tachikawa

伸司のブログから 今朝のは特にさえているなー

伸司のブログから 今朝のは特にさえているなー_c0219972_14292899.jpg「宮本常一の方法は自分の足で歩き回る。カメラひとつ。あとはノート。これだけ。そして聴く。聞く。よく聞き引き出す。あんな人がと思う人におもしろい真実の宝の山が眠っている。それを引き出す。彼が歩いた道のりを赤線で引くと日本地図が真っ赤に染まったという。

佐渡へは百回以上来て「私の日本地図 佐渡」を表している。これは佐渡人も知らないことが詳しく述べられている。宮本常一の民俗学調査はもともと対馬調査から始まっているがたしか九学会共同調査だったと思う。要は歴史だけでなく自然、鉱物や文化など幅広い知識をもってみて歩いた。

歩くとは何か。知りたいという好奇心。おもしろいことないかというわくわく感。カラダを動かしたいむずむず感。これは車で電車で飛行機で動くとかなわない。これは移動。歩くとは感じること。カラダの足の短さで。山坂を越える。田畑をきざむ。集落を縫う。小川を渡る。家並みにはいる。浜を散策する。海岸を見渡す。目と耳と口。皮膚。鼻。五感が働く。すると六感が稼動する。

書くこと。記録すること。フィールドノート。簡潔。落書き。日時、場所、人、写真、出来事。走り書きで記録しておく。人に話すように書く。レジメで箇条書き。立派な文書や偉そうなことは書かない。伝えたいことを絞る。自分が読者。未来の自分に残す。

歩くこと。考えること。考えるとは物語を生み出すこと。たくさんの物語を知り共感して自分の物語を紡ぐ。そこにもここにも年寄りがいる。人生の達人たち。こういう人は哲学を持つ。言葉化しない経験の宝庫。おもしろいぞ。」(詩人 山本伸司)

◎宮本さんが生涯1箇所でだけ賃金労働したところが武蔵野美術大学、ここから歩いて40分なのでたまに散歩しながら、宮本さんのことを思い出す。勤務したのは1960年代末、学園闘争活発だった頃の話。ゼミ生のお国自慢話をさせるのが授業の1つだったが、彼は報告者の出身地の全ての情報を、その出身者の知らないことまで含めて熟知していたという。ほんまかいな?講釈師みてきたような情報という点をしょっぴいたとしても、宮本さんの足で調べるエネルギーには感服しますね。
何度もかいてるけど、宮本常一『土佐源氏』は名作だと思うよ。はかない人生を面白くするのは男女の愛かも。しかしそれだけではない。もっと天空・宇宙のひろがり、全ての命に情けをかけて見守る愛が問われているような気がします。みどりの党、しかりやろうぜ。
by issei_tachikawa | 2012-06-11 09:13 | エッセイNOW | Comments(0)