高橋昌宏さんのむかし・いま・これから
2013年 10月 19日
ワイナマユは彼のおかげでシュトルムウントドランク(疾風怒濤)体験が出来た。彼がカンタテイを止めたら、ワイナの女性たち5名が全員彼の後を追って、ワイナをやめてマユというグループを結成してしまったのだ。
冗談みたいですが本当の話。残された男達5名は途方にくれたのだが、その後救世主が現れて、何があってもワイナ・マユは健在である。全員があの世に行くまで続けたいものです。(10/26新宿西口、12/22は恒例のwith遊年越しコンサート)
高橋さんのこと思い出したきっかけは、久しぶりの「秋が瀬のカルナバル」CD。この曲は彼のオリジナルで、ボリビア・ラパスでカンタテイの3枚目のCDにも収録されている。「カーニャの歌」というタイトルだったのではないかな。
これをやりたいという声があがったので、聴いていたら、彼のエピソードをいろいろ思い出した。
彼がユニークだと感じる1つの理由は、アンデス音楽が特に好きで始めたわけではないということ。彼のつくりだす音の風景は、シカゴかサンフランシスコか横浜みたいな感じ。「フュージョンがやりたいんです。」といっていた。でもすごいなーと思うのは、カンタテイのケーナ・サンポーニャをしっかりとこなしていたという事実です。
オレにはまねできない。
あと、楽器もうまくつくる。横幅50cmもあろうかと思わせるサンポーニャの迫力はすげーぞ。
教え方もユニークだった。「またの付け根の柔軟さと音質は関係あるみたいですよ。」といっていた。開脚前屈ストレッチして身体を柔軟にすると、音ものびのびしてくるということと理解した。彼の教則用譜面にはブレッシングポイントが明示されていた。「同じ曲でも、息をどこで吸うかで曲想が違ってきますよ。」とおっしゃっていた。「陽気な柳」は初心者向きの単調な曲だが、彼の言うとおりに息つぐところを変えると面白くなる。なるほどと感じた。
サンポーニャで噴出した瞬間鼻から息をたっぷり吸うというコツも彼が教えてくれた。「チチカカ」のワイニョ部分を吹くときには大いに参考になりました。
彼らのCD(1996年製作)のリズムは高木さんのギターと宮林さんのピアノ、そこでケーナやサンポーニャが出てくる。この構成もなかなか面白い。彼らのフュージョンが世界の何をどこまで融合していくか、楽しみである。